シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



現場速報-10Z邸15日目午後、ベースコン



あらすじ  
フェリーで遠方に行き来する現場の基礎工事は一筋縄ではなかった。しかし地元の顔とでも呼ぶべきオヤジに導かれ徐々に道が拓かれていく。

主な登場人物
  • オヤジ:基礎屋の社長兼親方。基礎工事幕の主役。
  • リキ:基礎屋の番頭。力が強く頼れそう。
  • トモ:オヤジの息子さん。トモちゃんと呼んでいる。気が良さそう。 
  • カタ:レッカー屋の親方。肩が広い。


12時になって車内で弁当食べ終わって昼寝でもしようと思っていたら、昼過ぎまで仕事していたオヤジ軽トラを横につけて、弁当食い始める。落ち着かず寝付かないうち、今度はリキとトモのトラックが登場。そこじゃない、1個向こうのところにとまって・・などと目が覚めてしまった。

それで、引き続きラフター登場で騒がしくなり、時間はもう1時。生コン打つ前に全列配筋写真とって置こうと、ぱちぱちしていたら、鉄筋が団子状態のところに出くわす。急にアンカー-ボルトの活けこみが心配になってきた。
点検口の補強筋がダブル主筋に重なっている。結束線を取り払って、結わえ直したり石ころを挟んでスペースを確保。急遽ほかの箇所もチェック。5,6箇所スペース不足で手直し。活けこみ時にセンターでなかったら何のために主筋ずらしたか。

生コン車登場で午後のコン打ちへ。鉄筋を見直しているうち振り返ると、大きなバケットが吊るされている。これでコン打ちするんだ。奥のリビング棟からスタート。リキがバケット、トモがバイブレータ、オヤジがコテ担当。で思ったより合理的に進む。

オヤジに言わせればつまりポンプ圧そうでは早すぎるので、手間が追いついていかないから、このやり方にしていると。まぁ、ポンプ車だってじっくり待ってもらえばいいことだろうが。宝の持ち腐れか。おいおい、隣のガレージの車の上をかすめてバケットが移動。オヤジ、セメント落ちたら大変だ、注意して!オヤジ、笑って身振りでできるだけこっちのほう通ってと叫ぶ。

確かに、オヤジたちは立ち上がりの立ち見を水準器で確認、続いて糸張りで通り確認、狂いがあればリキが主筋や斜め仮鉄筋で、要所要所位置調整しながら進めている。バケットの往復の間に。ガレージ沿いなどベニヤをたてて跳ね返りを防いだり。



ラフターの持ち主が昨日のレッカー屋の名前と違う。あれ、別のところ頼んだんですか?「いやブームが足りないからカタ(レッカー屋さん)のところから別のところに頼んでるんです。」そうか。生コン1台目が終わって水洗いして2台目と交代。合計で9㎥の生コン。この生コン車でいったん途切れ、しばしの休憩。

3台目は時間かかりますね。」「残りの量がわかってから頼んでつくるから。今度の立ち上がりはもう少し量が増えるよ。おい、リキ、次は朝から打って午前中に終わるか?」「どうかな、レッカーの仕切り次第かな。ドンクサイのきたら出来んかもな。この子やったらいいわ。」じゃあ、今度も指名してください。建て方時も注文書に書いておきましょか。「いや、建て方はカタが来るっていうかも。」「そういえば昨日現場見て何も難しい顔してなかったし。一番奥は建前も手起こしでできるから、太鼓梁だったら2メートルくらい手前で済みますね。」「それやったら、カタがきよる。」

車中に戻って、ブログ開設につき、各お客さんに了解の連絡とる。

ツカイシ最終の打ち込み終わって5時前生コン終了。計11.75立米。リキが金物活けこみ、これで今日の作業はおわり。

ふとツカイシの肌を見ると木目が移っている。「オヤジ、このツカイシ作ってよかったね。」「そうや、こんな重いもん既製品やったら軽トラで持ってくるの大変やった。」「そうですよね、あのころ随分悩んでましたもんね。」「この型枠どうします。先生もって帰りますか?次の現場でも使えますから。」「そうですね、杉板に油ぬって味が出てますよね。いや、家内に怒られますわ。置く場所ないし。まあ、こんなやり方しているところ、他の業者に伝えます。」

レッカーに続きトリオ17時退場。今日は土曜日、フェリーは週末20時発で時間はあるが、17時半帰路へ。次はスリーブ入れに合わせて来よう。