朝から現場という選択もあったが、急遽午前中だけ納屋組にてモコと10ex邸の構造材の確定の作業にかかる。マナに全体チェックお願いして、チアは急用など補佐。
大工さんのところに納材する日から逆算して(つまり製材期間)3週間前の期限が迫っている。今週は昼から週末まで出ずっぱりになるので最後のチャンスということ。今までも設計段階で何度となく検討してきた木の骨組み部分が、さあ見積依頼→注文段階ということで最後の真剣勝負とも言うべき確定作業となる。
軸組み図 |
見上げ図 |
チェックの順番を追っていこう。外回りの柱梁からはじめるか。なんだかんだ言っても建物の最初に目に付くのは、外から見た木組みである。シーダ・バーンは外周部の通柱(見上げ図丸印で表記)の林立が特徴である。見上げ図の外周部と軸組み図の4面を交互に見ながら、通し柱でなくなる管柱を区別して、頭をつなぐ桁(通常は母屋となる)の継ぎ手の追っ掛け大栓、さらに2階、小屋裏階の胴差の継ぎ手のボルト引き、などをチェック。それが終わると、背骨に当たる部分、中央部分のたて、よこの見上げ、軸組みを精査。今回はほぼ中央に大黒柱を据えたため、そこに絡む太古梁や差鴨居などの見せ場を目論んでいる。「この桁、入り口正面だから、差鴨居にして強調しましょう」「母屋を受けない柱がある場合、ない場合の桁と貫の案をスケッチ・・どちらがいいかな」「こっちです」とモコ。「でもここに地窓とったらどうなる?」「う~ん、それだったら・・」などと、デザインを変えながらまとめていく。
現場は職人との現実的折衝が中心だが、設計は身内とのチャットを交えたスケッチで事が進む。現場の魅力が連帯した達成感ならば、設計はイメージの浮遊感が楽しい。大枠のデザインチェックはこれで終了。
取り急ぎスキャンして、マナに添付ファイル送って意見を聞く。残りはその他大勢の部分。今回は凡そ2時間の作業、峠は越した。構造材というと、合理的な計算で部材が決まっていくように思われるが、決してそうではない。やはり見た目、いかにもしっかり、がっちり木が組まれていることが大切なのである。大きい開口部の上には大きな桁があっても、壁なり柱が狭い間隔にあると、とたんに桁成が小さくなるのは、耐震壁理論では桁に重きを置かないため。結果外周部をみると、すっきり通っていない建物をよくみかける。木造なのに軸組みを生かしていない例かもしれない。