シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



現場速報-10Z邸14日目午前、ベース型枠


あらすじ  
フェリーで遠方に行き来する現場の基礎工事は一筋縄ではなかった。しかし地元の顔とでも呼ぶべきオヤジに導かれ徐々に道が拓かれていく。頻繁な行き来により工事もたけなわに。

主な登場人物
  • オヤジ:基礎屋の社長兼親方。
  • スケさん:鉄筋屋の親方。オヤジから請けている。
  • カクさん:黙々と鉄筋組みをする日焼け職人。趣味はモトクロス・・アウトドアマン。
  • ブル:型枠親方。
  • ゲン:型枠屋。ブルの相方。


2日おいての現場入り。と書くと野球の投手の登板間隔のような気がしてくるが。基本的に遠方の基礎工事などは連戦としているので、この間隔も神経使うのである。前回の帰り際、スケさんに明日から2人応援来さすと言われた。元はといえば最後の整地の時間を確保するためにこちらがオヤジにお願いしたからだが。それで、仕事ぶり見られないのが残念です、と答えた。案の定、昨夕の設備屋さんから鉄筋工事ほぼ終わっているとの連絡を受けていた。

いつものフェリーから送迎バス、路線バスと乗り継いで現場8時過ぎ着。既に、オヤジとブル、それに相方は初見参、赤色の作業服の白髪老人・・赤白→源平→ゲン?ペイ?・・呼びやすいゲンにしよう。

気になる鉄筋工事は終了、受け継ぐ今日はベースの型枠工事の続きである。オヤジも鉄筋のチェックし始めていたようで、打ち合わせ開始。大きなところで、あばら筋の寝かせが全体的にしていないか、足りないこと。特に定着筋で並列に重なるところが幅が増していてるためだから、重ね方を縦列に是正することに。

オヤジがスケさんに電話して、カクさんを呼ぶことになった。程なくカクさん登場。モトクロスやっている人だという。公私ともに太陽の下の人だけあって精悍そのもの。例によってオヤジが事細かに説明を交えて指示を出すのを黙って聞きつつ作業に入る。「ところで、土曜日コン打ちですが、ガレージ使えますか?平日と状況違いますから、空いているとは限らないですよね」「ワシもそう思っている。クレーンでしよかと思ったが、レッカー頼もうか。入り口の空き地から奥までどのくらいあるかな」「そうですね、約18メートルですか。確か前に10トンラフターで16メートルと言われました」「一度レッカー屋に現地見てもらうよう電話しておくけん」「レッカーで値段大丈夫ですか?」「打つのに時間かかるけれど半日やけん半分ですむから。ポンプ車だとまだ高いし回送費なんか入れると値段つきますよって」一段落してオヤジ帰りま~す、ブルにレーザー置いとくから使ってや、と伝えている。
「え、ベース型枠も高さ出すんですか?テンバで揃えるのでは?」「いや、こぼれちゃいますから、余分につくってますけん」「そうすると、サイドに目印をつけるわけですね」「そうそう、再度確認、釘を打ってね」計ると型枠18センチと、3センチ多めに作っている。

カクさん鉄筋の寝かせ作業進めている。下筋は並列を直しにくく上筋がそれにつられて寝かせにくい。太ももで鉄筋を押さえて寝かしながら番線を結わえていく。


ベース筋の下にスタイロフォームを加工した角材と紙管がしいてある。最初は仮に鉄筋を浮かせてるのかなと軽く考えてみていたが、いやこれでは鉄筋にコンクリート回らないからだめだ。近くにいたゲン、「ワシらと関係ない」という。カクさんに「電気屋さん来てたよ」といわれ電話するも留守電。携帯控えてなかった。昨日現場に来ていたという設備屋かもしれないので、その旨担当に伝えると、職人がしたかもしれないというので、「そんなん勝手されたら困るから、至急取り外してください、いつ来ますか?」「はい、午前中行きます」、となった。どうしてこんなことするのか?たぶんベタ基礎と勘違いなのか、それだったらもっと下でなきゃね?わからん。程なく、設備屋、若い担当者が来て、取り外していった。午前終了。