あらすじ フェリーで遠方に行き来する現場の基礎工事は一筋縄ではなかった。しかし地元の顔とでも呼ぶべきオヤジに導かれ徐々に道が拓かれていく。
主な登場人物
- オヤジ:基礎屋の社長兼親方。口も手も動きが速い。
- クロ:時に叱咤されつつ仕事をする黒縁めがねの若者。
- ブイ:型枠屋親方,初対面は無愛想。
- ブル:型枠職人、おっとりしている。
- ポノ:型枠職人、のっぽ。
- スケさん:鉄筋屋親方。
- カクさん:鉄筋組み手。
フェリーから送迎バスで門司駅まで。この時間帯高校生の大群と遭遇、混雑の最中はごめんなので、ひとつバスストップ手前から乗る。
8時過ぎ現場着。型枠屋が2人。混じって基礎屋のクロが束石型枠バラシに励んでいる。2人におはようございます、と元気出して言うも反応なし。無愛想。誰が親方?と思ったら、トイレから誰か登場。あらわれるなり、「あんたが永野さん?」「いえ、設計事務所です。」「コンクリートは一気に打つんか?」「さぁ?」などと軽いジャブ。クロに聞いても、いやぁ、いっぺんではないんじゃないか?という程度。
幅の薄い合板型枠をユニックで荷おろし。奥の基礎鉄筋できているところまで運ぶ。
無愛想な職人をブイ、親方、おっとりとして重い感じ、ブル、のっぽをポノと呼ぶ。黄色い打ち放し型枠使っているにしては、表面汚い。いいんだろうかと思ったが、ベース型枠だから土に隠れて問題ないと気づく。とりあえず鉄筋組みの検査。それからベースコン脇の土部分を鉄筋で地盤調査。固くて入らない。
オヤジ登場。ブルと話し、とりあえずここだけで申し訳ないといった風。クロと2人で墨出し再度つける。先週の雨で薄くなっているのを気にしている、型枠屋さん間違いのないように。
さて、その前回掘り方を残して後ろ髪惹かれる思いの木曜から土曜日までの様子というと、まず木曜にアイヨンのついたユンボで路盤もどきを破砕、掘り方砕石まで進んだであろう。夕方にはベースコン打ちか。翌日墨だしするも雨が降り出し、確か朝早々に退場との電話あった。鉄筋は木曜リビング棟、開口補強残して終わるも、雨にたたられ翌日もあまり進まずというところか。結局連休含め3日間過ぎ去ったようである。
その間事務所で瓦屋の選定を進めていた。マナの考察結果、K瓦のほうが1割安いとみて、社長に現地業者をピックアップするようにと伝えたところ、翌朝には2社、1社不調という連絡。その2社も甲乙わからないため、近日中に社長門司へ来るようにと話しつける。
さて、今日の現場に戻って型枠もベースだけで順調に終了。やはり専門業者ゆえ、寸法だしなどきちっと事前に終えた材料を持ってきていて、よくある適当な現場やっつけ仕事がない。気持ちがいい。10時半には作業終えて一服、後片付けして11時前退場。基礎屋コンビも墨だし、捨て鉄筋穴あけ、点検孔位置だしと終わる。途中、何点か寸法質疑。これも、やはり図面が見にくい。ひとつは建物規模、ひとつは拡大図なしのせいかな。
型枠屋と入れ替わり鉄筋屋登場。なにやら舞台劇のような。カクさんスケさんコンビであるが、初日に会ったのがスケさんで、このひと親方だった。スケさんと開口補強について打ち合わせ。鉄筋が団子状態になるので、芯側にそこ部分からの補強筋、外側に上端筋を取り付けることに。午前終了。