シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



現場速報-10Z邸11日目午後、堀り方


主な登場人物
  • オヤジ:基礎屋の社長兼親方。他の業者もよく知っている。
  • シュン:組の若頭?俊敏な感じ。
  • トモ:オヤジの息子。オヤジがトモちゃんと呼んでいる。気が良い若者。 
  • クロ:黒縁めがねの若者、修行中。


午後1時過ぎ現場に戻る。既に工事にかかっているオヤジが「今日は矩手(けねて)に掘り方やって捨てコンまで打ちます。水槽のコンクリートはみだし部分は残して。そうすれば明日、墨出しして鉄筋も組んでもらえますから。先生にみていただいて、それを模範にすすめていけばいいでしょう。そういう段取りで今日明日考えています。」はい。

一段落したところで、オヤジに屋根瓦屋の相談。紹介してくれたB社、金額が微妙なところで迷っている。「他の業者もありますよ。C社や大工さんの懇意しているD社など。でもB社が昔から瓦葺やってて手腕は確か。カラーベストやってたまには瓦なんていう業者よりは」「もし勉強して下さいといってながら値段あわなかったら、やめます、じゃ失礼だよね。まずはA社かB社か決めてから値段交渉に入るのがいちばんいいかな。少々考えます。」「また連絡ください、他の業者紹介でもかまわんから」と言って退場。

残るはシュン、トモ、クロの若手3人。トモは束石型枠の再製作、シュンがユンボでクロがレベル調整というコンビでガレージ沿いのラインの掘り方進めていく。

私といえば今回棒を3本持ってくる。太い33角と中15×30と細い15×20、それに現場の10ミリ鉄筋。最初は33角で表土の様子見るが、結構硬い。そこで、鉄筋と極細を両杖のようにして、確かめることに。18通ヲ通あたり1メートルの範囲で、粘土が水を含んでぶよぶよである。極太でも押し込んでいける。約50センチくらいで止まる。

シュンに言って、ここをセメントで改良してというと、「セメントはない。掘って砕石入れるんでしたら。」「それでいいです、掘ってください」と。すると細い枝木が絡まってぬれている。クロがそうだったんだと納得。固い地盤がすぐに出たので掘り方ストップ。この土でもいいですか?とシュンが、そばにある土を指して、これだったら固まるからという。何回か土を入れユンボの先で地面に押さえつけ、最後に砕石入れ、これで安心。

廃材を入れたトラックを見ると、木切れの混ざった土だった。盛り土した業者もいい加減だが、こうやって部分的なところもチェックできたことはよかった。ユンボのショベル幅を計っておく。73センチなので、この幅で掘れば十分基礎底となる寸法である。

瓦の件、マナから比較の報告受け、それじゃA社社長に電話してみるということに。今回、もう随分地元に出入りしている。規模が大きいですからね。それで地元の瓦屋もだいぶ分かってきた。「社長はこちらの瓦屋どうやってみつけるのですか、遠方でいいわるいもわかるのですか。」「正直、まだ業者探してません。自分で値段交渉できる額をはじいているだけで。いま南のほうの件でやってますがそこは業者いなくてたいへんでした。今回は都会に近いからこれから探すんです。いい悪いはわからないから、自分が行って収め方のうちあわせするんです。」「そうは言ってもそろそろ具体的に業者決めていかないと、じきですから。」「そうですね、では2、3業者当たってみます。」その後、マナと相談。「だぶったらどうなるかな?」「たぶん断るんじゃないでしょうか。直接うちとやったほうが有利に決まってますから。」「では、A社にはこちらから地元の名前ださなくていいんだ。」「そうですね。」前回は地元とA社に相当開きが出たので問題ないが、今回は逆の減少が起こっている。判断微妙でもう少し進展見るほかない。

トモが型枠再生している。色づいてるので見ると油がぬってある。「何回もつけてると味が出てきますね。」というと嬉しそう。
掘り方終わりに近づきクロが転圧にかかる。シュンもレベル出ししたり掘ったりと忙しい。

16時過ぎ生コン車。まず束石に猫車でコン打ち。その後捨てコン。クロが猫車。これが黒猫だ。シュンが均しとコテ。


トモは羽子板田植え。

どういうわけか最後のほうになってユンボショベルで生コン打設。生コンの人も車の階段のぼって残量を何度も確認している。田植え終わったトモも最後の均しに参入。若い3人がこうやってぶらぶらせず無言に近いまま、動き回る姿、なかなかのものである。

17時作業終了後片付け。擁壁側から見るとベースコンの見え方がうつくしい、なんて変なところに見とれる。もう手を洗って帰ろうかと、みると水槽のところの水がたまっているのがガレージ側から丸見え。すいません、コンパネでもいいですから、上にふたして見えないように、オヤジも見てくれ、気にしているところなので。ということで、今日は終わり。17時半帰路、ガソリン入れて、食器洗剤も買って、18時、宿。