シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



追掛帖-10Z邸、棟梁打合せ取材



今日は10Z邸の棟上げをお願いする二大棟梁顔合わせの日。先生現場なので、今日はひとりで刻み場に向かいます。

方向音痴なので、前日、事務所で入念に行き方調べました。84分、塚口着。さあ、お目当てのバス停に向かいます。あれれ?調べたところと違う・・・自分でもびっくり、なんと、阪急とJR間違えました。すぐに番頭さんに電話、トウさんに迎えにきてもらうことになりました。あぁ、私ってば。

9時前、刻み場到着。よかった、棟梁のジムまだ来ていません。間もなく、土佐ナンバーの車がやってくる。ジム登場です。「はじめまして、納屋組のチアです」「あー、どうもー、よろしくねー。今日はモコさんは?」「モコさん今日は事務所です」「あぁ、そうー。」

タケちゃん、ジム、お土産交換して、すぐさま打合せ始まります。刻み場、今日は機械音が鳴り響き、声が聞き取りにくいです。しかも大工言葉オンパレードで意味が分かりません!ピンチ!取材なのに、どうしよう!とにかく、写真だけでも!図面とわずかに聞き取れる言葉を頼りに、どうやら屋根の取り合いの話をしていることが分かりました。
ジム「どうくっつけましょか?コミ栓はどうしましょか?」タケちゃん「120の芯で、ホゾ上端2877、下へ120でいいんじゃないですか」ジム「そうですねぇ」

あっ!ジム、図面に何か書き込んだ!
すかさずズーム撮影。

昨日の先生打合せと同様、材と図面と行ったり来たりしながら打合せしています。わたし、完全に蚊帳の外。じゃまにならないよう、気をつけます。

屋根の取り合いの話が終わり、今度は基礎の図面見ています。ジム「ここは現場打合せにしましょか」タケちゃん「そうやね」

ちょっと休憩中、ジム「近くにいま二棟もっててね、なかなか手ぇまわらんのですけどねえ。あれ、タイコ梁ですね。下を丸くしてなかなか手ぇのかかることやって、すごいですよねえ。09Z邸のときにみて、いろいろ勉強さしてもらいました。」そういえば、タケちゃんは幼稚園のときから大工あそびしてて、ジムよりもだいぶ先輩というのを先生が言ってました。

ジム「あと、らんまあがってるとこですけど」
タケちゃん「下端から90あがったとこに蟻ほっときますわ」
ジム「いつも蟻どれくらいにしてます?」
タケちゃん「ネコが一寸、○○(聞き取れず・・・)が一寸半ですね、
      ○○平らにしときましょか?」
ジム「そうですねぇ、ほなこれでやらしてもらいます。
   何かあったらまた連絡しますんで」

あっと言う間に打合せ終了。すると、

タケちゃん「たるきは流すんですか?」
ジム「いあー、あんまり形としてないんで、あげてあげてしますけど。柱関係だいぶできました?」
タケちゃん「・・・(柱ながめながら無言)」
ジム「横もだいたいいけました?」
タケちゃん「今からです」
ジム「柱、大体いけたら横ものはね、」
さらに、
「これは何でやるんですか?」「カンナ」
「丸の?はあ~」
と、お互い探りあいな会話?打合せおわり、ジム、さっと帰っていきました。

こんなにたくさん材があったら間違ったりしないんやろか?昨日から思ってましたが、そこで見つけた分かりやすい印!昨日見た、大黒柱にバッテンの印も分かりやすい、と思いましたが、これも分かりやすい。大工図面の渋い感じとは打って変わって、誰が書いたのか丸字でかわいいです。

事務所に帰り、レポートの作成、図面のズーム写真ばかりの拙いレポート作ってみなさんに送信。するとマナさんから、だいたいの状況がわかりましたので、有難いです、とやさしい返信。うれしくて涙が出そうです。はやく皆さんに追いつけるよう、がんばります!