つづきまして四方より清抜いをさせていただきます。棟梁は塩を、私が米を、お施主様お神酒をもって東南西北まわりま
いままでの地域や専門工務店などで行われてきた上棟式のハレの演出などは及びもつかないが、シーダ・バーンにはふさわしい簡素で静かなかたちもあるのではと思っている。ひいては施工管理も同様のような気がする。現場に入る職人はいつもの慣れた仲間、親しい関係が必要だからこそ地域の元請工務店が中心に欠かせないのだ、下請け業者(協力業者)の親睦会や慰安旅行なども欠かせないという。一方、分離発注だとしても施主の代理たる私が現場に付き添うことで施工の原点に近づくような形になれば、それぞれの職人がお互い心底では通い合う心が生まれ、他者を気にしながらももくもくと仕事をする、それだけでも十分な気がする。
式次第はともかく、決して好景気とはいえないこのご時勢で、家作りの仕事を依頼されてくださる施主が居て、また長年研鑽を重ね腕を磨かれてきた棟梁以下の大工さんたち、また工事全体の中で、これからも参入してくれる専門職人さんたちが居て、と私の周りにたくさんの方々が集まってきて家作りが進む。設計のみならず施工までかかわらせてもらえるからこその建築家名利に尽きるということか。10Yさんからお土産など頂きお礼。そして、給湯器の話題に。エコジョーズ年間1万円得して、補助金も2万円でるらしい、と10Yさん。「でもお湯炊きと言われましたが、追い炊きのことでしょうから、やはりイニシャルにコストがかかる。10万円ほど。全体予算厳しいのだから、留意してほしい。予算増額を具体的に示してくれるのなら、構いませんが。いくら補助金だといわれても、もともとよいものだったら補助金なくても売れるものなのに。古いお湯を循環するより新鮮なお湯を足すほうが気持ちよくありませんか」、と直球勝負にいったら奥さん共々、高温差し湯がいいです、という結論もらう。これ以上長居するのも何だから早々に退場。チアと駅前で車と荷物の整理、お茶を一服して17時半の電車に乗り込む。
(つづく)
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