10F様のご見学の様子を3回に分けて配信いたします。
まずは土間からご案内…
先生 シーダ・バーンは土壁の代わりにモクセン板を使っています。
ご主人 本当は竹を使ったりするんですよね。
先生 本来は竹を編んで下地にするのですが、職人さんがあまりいませんので。最初はこれではお客さんが来ないと思って、漆喰の下塗りをしましたが。竹を編んでやってもいいですが、職人さんを探さないといけませんね。いるとしたら、都市から離れた地域とかですかね。柿渋は、産地は京都ですが、野地板なんかは予め製材所で塗ったりしてます。床板は厚さ50ミリ、幅20センチのものを使っています。これは天竜材の200年物で重くて硬いですが、通常はこちらの、杉材を使います。目が粗くて柔らかくて暖かい。家の木材は全部杉です。若い方にも対応できるように、安くても手作りで墨付けできるように。
では、どうぞ、座敷へ。
(三段窓、変則三段窓、四本貫の紹介)これは全部、シーダ・バーンの要素です。日本建築にも合っています。柱の間隔は950、三尺二寸弱。民家の場合は、もうちょっと広いですかね。
ご主人 990ですね。
先生 関西間ですね。床ですが、ここは土間にモクセン板を敷いてから床板を張ってます。今はもうやらないやり方ですが。
ご主人 湿気は大丈夫ですか?
先生 モクセン板が吸収してくれます。カビはいっさい生えませんよ。
(外へ移って、ポーチの面格子、アプローチ、リサイクル耐火レンガの紹介)
中庭で立ち話…夏の暑さと冬の寒さ…
先生 薪ストーブを使っていますので、薪小屋もあります。うちは各現場の廃材が集まってきます。杉はあまりよくないというか、乾燥しなければいけないのと、目が粗いので熱量がイマイチ。ケヤキとかクヌギとかならいいようですけれど。
ご主人 僕は冬が寒いのは知ってるから、石油ストーブがんがんに焚いたりしてしのいでますが。嫁はずっとマンション暮らしなんで、すきま風は耐えられないと言ってますね。
先生 私はすきま風を意識的に認めています。最近の若い方も薪ストーブが良いって言って、実際もそういうことが気にならないようです。一時、岸和田、篠山、和歌山でそういう事例があったんで、うちもそのときに急遽入れてみたんですが、なかなかのものだと気づきました。それまでは火鉢で、灰が散りますからね。薪の世話などこまめであれば、おすすめです。夏の暑さは特に問題にする点はないですね。
ご主人 僕も小さいときは夏でも涼しいと思ってました。だけど、ここ15年くらいですかね、涼しいと感じない。木が大きくなったからかな、と思ってます。両親とも木が好きで、敷地も広いですから、木もすくすくと大きくなって。
先生 そうですか。ところで、こちらのアトリエは本当は平屋なんですけど、上を収納として、だから天井が低い。雨戸は?お使いになってますか?
ご主人 もう、使いもんにならなくなりつつありますが・・・(笑)
ポーチのベンチにて...
先生 どうぞ、お座りになってください。
ご夫婦 ここは涼しいねぇ。
先生 どこかに余裕のあるスペースを作りたいんです。渡り廊下とか、ポーチとか。
(③につづく。次回、先生語ります。)