シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



見学簿-10G様①

10G様ご見学の様子を3回に分けて配信いたします。




木のおうちに興味があります

先生    どんな雑誌をご覧になられましたか?

奥様    雑誌の名前は忘れましたが、ツタヤに併設されているカフェで時間つぶしをしていた時に見かけた雑誌でした。家のことを考えるのが好きで、良くそういう雑誌を読むんですけど、その雑誌はあまり見たことがなかったので手に取りまして。雑誌名は覚えてないんですが。

先生    ご覧になってどういうところが気にいられたのですか?


奥様    木のおうちが好きで、チルチンびとを時々買って読むんですけど、この家のここは好きだけどここは嫌いというのがあって。でも先生のはすごくいいなぁと思いまして。これまでいくつか木のおうちを見せてもらったんです。こないだあるハウスメーカーさんの展示場で自然住宅を見せてもらったんですけど、構造から何から何まで集成材なんですね。うちの主人も、集成材は科学的にはいいけど、データが少ないからあまり信用できないと言ってまして。

先生    ご主人は何かそういう関連のお仕事をなさっておられるんですか?

奥様    ええ、木材関連の仕事です。輸入の商社で、主に洋材を扱っています。国産材も少し扱ってはいるみたいです。

先生    それで何故うちに?

奥様    中まで見られるところがあまりないので・・・

先生    そうですか・・。(特に暮らしているところ、見れないかもしれないなぁ。)何かご計画とかご予定があるんですか?

奥様    特にはないんですが、いくつか見て、いざというときのためにと思ってます。もうひとり上の子がいてるんですけど、喘息があって化学物質にも反応するので、そういう意味での関心もあります。

先生    うちは木の家というだけが売りではないですが、集成材とか、新しい建材は使いません。昔からある材を使うと。

奥様    子どもが木が好きで、飛騨のほうの自然村にも行きました。あと、愛知県での植林なんかも行かせてもらいました。

先生    そうですか。

奥様    集成材を使ったエコな住宅というのが北摂のほうで流行ってまして、外で人が待ってるくらいなんです。西岡棟梁さんの本も読みまして、いくら安くても集成材はちょっと・・と思ってまして。最近はアレルギーの子どもも多いですし。

先生    すごい宣伝効果ですね。ビラとか新聞広告とかですか。

奥様    ビラもそうですね。看板がたくさんありますね。集成材といってもきれいについでるから見た目じゃ分からないし。

先生    接着剤の耐用年数というのがありますが、近年は技術革新でそう短いものではないようです。100年の住宅にふさわしいかどうかは分かりませんが、そういう技術にコストをかけることが本来の姿から離れていくのではないかと思っています。もともとの木は切って乾かすだけで使えるのですから。何かプラスはあるかもしれないけど、マイナスもある。あまりよくない例をごらんになって、こちらへ来られるというのは私も本意ではないです。同業としてやっておられる方たちですから、批判などはできませんが、私はそういう集成材には関心ないだけです。それにしても良く勉強されてますね。



につづく)