主な登場人物
- サイ :大工といっしょに来た電気屋、一人親方。
- オヤジ :基礎屋の社長兼親方。口も手も動きが速い。基礎工事幕の主役。
- シュン :組の若頭?俊敏な感じ。あとでわかったが、俊のトシでなく敏のトシだそうだ。
- トモ :オヤジの息子。最初リョウと呼ぼうとしたが、オヤジがトモちゃんと呼んでいる。息子さんで、気が良さそう。
昼前に弁当を食し、散髪に行く。電話帳で調べてローコストの所へ。2時前に戻ると電気屋サイが堀方をしている。引き込み電柱から建物(分電盤のある妻の間)まで先に配管しておくとのことで、ちょうどGL-400くらい掘っているので地盤状況をみる。10cm×3cmの板に体重をかける例の方法で10cmくらい粘土に沈んでいくところがあった。しかし全体的にはそれほどでもない、固いところもある。最近電気屋の一人親方が続くがここでも、サイは一人で工事。朝方、塀の基礎が幅広なので、排水管スペース大丈夫かと思って、設備屋に顔合わせの意味もかねて、現場に来てもらった。しかしサイがその間を先に使ってしまいそうで心配になり今度は電話確認。すると枡と配管で深さ900幅200はとっておいて欲しいと。電気配管がジャマするかも知れないので「縦に並べられませんか?」「そうですね、鉄筋打ってベースの方に縦に寄せましょう」「これで安心だ・・・」オヤジも加わって一段落。「レベルをもう一度決めたいので、先生指示再度お願いします」とオヤジ。要するに道路より低い敷地はだめだから、道路より高く、いくつになるのかな?先生この側溝にフタをのっけますよね。そのフタに車も通るわけだから段差あったら具合わるい。お向かいのコンクリート蓋、前が少し斜めになって車入りやすい。「そうか。U字溝の上にこれをのっけると高い方が10cm、低い方が6cmになって、GLはこの溝の縁から最低+10cmですね。つまり境界鋲と同じ高さだから+100=SGL標準地盤面としましょう」と決着。すると昨日積んだブロックは天+400。木造塀が合計50+120+900+120≒1200で合計1600が塀高さ。目線より高くなってぎりぎりOK。
3人は石灰のラインを寸法だしながら撒いていく。遠くから見ると建物の感じがつかめてくる。そこでオヤジがユンボで玄関土間あたりを掘ってみることに。すると昨日に引き続き何やら水槽らしきものが水といっしょに(二槽ある)出てきた。さらに表面がカチカチで掘り起こせない。さすがのオヤジも困った顔。「明日アイヨンで突かないと無理だね。」「あぁ、あのドリルみたいなやつですね。何でしたっけ、アイアン?」「そう、アイヨンと呼びよる。10cmはこの基礎みたいなやつ、はつらなくては。束石はどうですか、先生。」「束石はこのような地盤なら置くだけでもいいですよ」「うすくモルタル敷いてね。よし。」「明日、私いませんがよろしくお願いします。」「奥のほうから問題ないのでやっときます。」
「ところでさっきトシオくんて言ってましたよね。」「トシちゃんか?」「そのトシって、にんべんのシュンですか、それともビンの方ですか?」「ビンのほう。」「そうですか。しゅんびん俊敏の違いか。いや、私勝手にあだ名付けていたので、ひょっとしたらピッタリかと思いまして。トモくんはリョウと名づけたんです。」「あれは息子だよ。」「そうですか。道理で気が良さそうで、帰りは挨拶にきちんと来るし、性格いいですよね。」「そうでもないが」とまんざらでもなさそう。16時50分退場。「メンバーは3人?」「いや7~8人おるよ。それでも足らんくらい毎日同じことの繰り返しで忙しく仕事しとる。」「60過ぎて暇を持て余すよりはいいですよね。」「体が資本。健康に気をつけてがんばってください。私も80までしますから。」