シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



現場速報-10Z邸1日目午前、地縄


今まで職人さんの名前を聞きそびれたりして、いつの間にか忘れてしまうことの繰り返しでした。顔を覚えないのは名前を覚えないからではないか?前回の現場からニックネームらしきもので呼び始めたが、今回本格的に。この方式は、学生さんにも納屋組にも受けがよいようです。

主な登場人物

  • オヤジ :基礎屋の社長兼親方。口も手も動きが速い。
  • スケさん:鉄筋屋。



久々のプロシード。芦屋発1520分。高速道路SA巡りがてら車中泊で現場着早朝7時。日曜1000円乗り放題政策で、道路も地方でも空いてないし、サービスエリアは超満員。だからといって、特にそれぞれの店の特徴があるわけではないし、広くはない店内で客のほうもお手軽なカフェテリアで思い思いの食事をこなしているか、みやげ物を物色するだけ。こういうところは何度も運転で来るものではない。

早朝から断続的な雨降りで、現場に着いても時に強く降り出す。心配で気象庁ホームページ解析雨量降雨短時間予測を見ると10時くらいから晴れるとわかり安心。手持ち無沙汰なので、敷地レベルでもはかろうかと持ってきていたレーザーを取り出してセッティング。久しぶりだが電池も入れて準備完了、受信機のスイッチ押すが小さなボタンが固まってオンできない。

そうこうしているうちに、9時前に仮設便所着。図面の通り置くよう、納屋組マナとも確認。いざ置いてみると、隣家の正門柱脇でどうも位置が悪い。みれば真反対側に直近に工事された仮設水道が取り付いている。すいません。手伝いますから真反対に移動してください。工事屋さんは鉄筋のカギのようなもの2本で引っ張りこちらは押して、中は空で簡単に移動。


そこに基礎屋登場。ミニユンボを積んだトラックの若者が敷地内に入る。社長さんですか?オヤジはすぐ来ます。そこでトイレの最終位置まで行ってチェックしていると、後ろでヘルメットかぶって首タオルした作業服が若者に段取りをまくし立てている。敷地際には年配のやはり作業服着たご年配がその様子を見ている。聞くと鉄筋屋らしい。作業服に近づいていくとこちらを振り返りやおら笑顔で名刺を差し出してくれた。社長=オヤジとの初対面。まず鉄筋屋(=後にスケさんと命名)と3人で質疑応答。点検口の位置が見づらいから今確認したい。なるほど、わかりやすくしないと。次に曲げ加工の話で実物持ってきて40アールしか曲がらない、図面のようには行かない。ああそうですよ。これは斜めにしながら縛っていくんです。やっぱり。図面は斜めにした状態を描いているんで。ちょっと説明不足か。また開口補強が下面に集まりすぎだから、上鉄筋を上げて、下鉄筋との離れも200くらいから100くらいにしたらいいな・・・。打ち合わせの最中も若者がユンボで表土をなでたり雑草を取って均している。オヤジも話し終わると処分材をまとめている。このオヤジなかなかパワフルである。レーザーをセットしてレベルを見る。ガレージ付近の道路レベルと大体の土地レベルが±0で、擁壁の端の辺りで-50くらい。母親棟南で-130くらい徐々に下がっている。道路が中央付近からその分下がっているためである。総合的に見て道路アスファルト天と中央地盤面が同じで、GLという設計通りの設定となる。建物配置を決めるにあたって北側ガレージの境界線の確定がややこしい。東側よう壁の下に標識があるからで、最初はなにやらトランシットをセットしようとしていたが、計測不能とわかって断念。次に仮の垂直糸をブロックから標識にめがけて走った糸を、それを自分のもった下げ振りとあわせていく。位置がきまらない。オヤジ!お願いだから、上から下げ振りおろして決めましょうといって、ようやく板を突き出して、そこから下げ振りで位置確定。今ある東側ブロックで、本来外側にあるべきブロック塀が、約100ミリ出っ張っていること判明。境界線が確定したので、北側境界沿いの通りをだして、杭打ち部分の位置出しに、地縄張りは150釘を使って糸張っていく。

一段落しそうになってオヤジから電柱たってないけれど、電気屋さんはどうなっているの?と聞かれ、そうです。今適当なところが見つからず難航しているんです。すると、しばし一考(いつもすぐさましゃべりだすのに)、・・電気屋は大工と仲良くしないとなぁ。大工は決まっているのか。それもそうなんです。今確保しつつあるところはあるんですが、オヤジいい大工さん知っているんですか。知ってるも知らないもここらへんでは腕利きでとおっている棟梁いるけど。是非紹介してください。棟梁で、何人も大工かかえて、戸建から結婚式場まで手広くやっている。今から電話してみる。「あのな、木造で60坪くらいある家があるけど、話し聞いてみるか?わしもここの仕事もらってやっているので。昼の3時だったら現場もどってこれるから、いっぺん先生がきてるし会ってみたらいいわ。」などと動きながら話はとんとん拍子で、他で頼んでいる大工さんとの関係がどうなるか心配になってきた。「実は、ほかのルートで大工さん紹介してもらって、そこで3人ほど確保してくれそうなんですけど、嫌がられませんか?」「それも会ったときに相談したらいいわ。仕事やから嫌がることはない。手下を養のうていかんならんけん。」昼前位置出しも終わり、念のため元の起点からの距離、6250をもういっぺん確認させてくださいと、測りなおしたらなんと6230ミリほどなので、「何で狂ったかな?」とぶつぶつ。全体に今の芯位置を東に20ミリずらすということで決着。

10y邸現場、納屋組バトがてっきり行ってると思ったら今日はお休みだということで、今後のことも合わせて調整。電話はこまめにしてくれて打ち合わせしてくれるのだが。そういえば週末お客さんの対応で電話でられなくて、そのまま週明けてしまった。でも、肝心な連絡は食らいついてでもするというところが、ちょっと淡白なのかな。昼休みショッピングセンターに入ってお弁当買って頂こうとしたら電話が鳴る。昼休み絶対主義なのに誰からと思ったら、納屋組チア。08x邸の樋工事手直しで現場にいっている。樋勾配の不足によるジョイントからの雨水漏れだと思うが何せ昼休みである。話は午後にしてもらって、しっかりお弁当を食べる。