10Hさま2回目のご見学の様子を3回に分けてお送りします。
ご見学2回目は、シーダ・バーンの二階プライベートスペースをご覧いただきます。
土間の応接スペースにて雑談…
ご主人 だいぶ涼しくなりましたね。
先生 寒いくらいですね。
ご主人 遠方のお仕事たいへんですね。
先生 そうなんですけど。今度の仕事は今までで最西端になりました。
大工さんのはなし…
ご主人 それは向こうの大工さんに頼みはるんですか?
先生 墨付けをこちらと製材所近くで分けて頼んでいます。ちょっと大きなお宅なので、二手に分かれています。上棟したあと、向こうの大工さんが造作工事を引き継ぐんです。
ご主人 ぞうさく?
先生 ええ、上棟っていうのは工場(こうば)で墨付けして刻んだものを組み立てるまでのひとつの工程のことですが、それで骨格ができあがれば一段落なんです。その骨格にあわせて、屋根のせたり、庇つけたりという肉や皮を付ける作業ですが、これは一定のレベルであれば誰がやってもいいのです。初期は地方でも墨付けやってたんですけど、コミュニケーションがたいへんで。こちらとかではかれこれ20軒以上やっていますので安心です。
ご主人 材料運ぶのは船かトラックで?
先生 まあ、だいたいトラックで。
ご主人 基礎から上棟までがこちらの大工さん?
先生 基礎は地元です。工事業者探すのでたいへんなのが基礎屋さんです。しょっぱなですから。どう探すかですよね。今回は、地盤調査屋さんに紹介してもらいました。地盤調査はネットなどに良く出てますから。いろんなルートがありますが。大工さんから電気屋さん紹介してもらったり。設備屋さんは知り合いのマンションやってる人の紹介で。その他足場屋さんのルート、瓦屋さんのルート等いろいろあります。大きなハウスメーカーやゼネコンが支店を出すみたいな資本を投じることがない限り王道はないのですね。それでも多いときは2つ3つ相見積もりをとったりします。基本的にはあまり競争したくないので、知り合いのつてで実際に会って、指なりとか態度をみたりします。目が泳いでないか、酒飲んでないか、営業専任がいるかどうか、そういうのを見たりします。下請けさん的に工事に専念してるかというところを見ます。そういう所もだんだん自分でHPつくったり、工務店さんもそうですけど、お客さんを自分で取りにいったり、表に出ようとしてくると、それなりに一長一短が出てきて判断難しくなります。経験して少しずつ分かってきました。
分離発注のはなし…
ご主人 分離発注というやり方ですよね。ある雑誌がありましてよく読んでたんですけど、分離発注を推進してる雑誌でした。今はもう読んでいませんが。建て主が、全部の業者と別々に契約して家を建てている情報が載ってました。設計士さん中心にやられてるみたいですね。
先生 設計士さんといってもグループを組んでするところだと妄信は禁物です。設計士さん個人、お客さん個人の関係だけでなく、そのグループの要素が入ってきて判断が甘くなる可能性があるんですね。いいことと悪いことが出てきます。
ご主人 関西では決められた業者さんをお使いになるんですか?
先生 こちらの地元だからといって決められれば安心なんですが。地方に行くともっとしっかりしてる業者さんとの出会いがあって、地元なれども馴れ合いに陥らず、初心忘れずにやろうという気持ちです。
ご主人 そうですねえ、工務店でも任せると気に入らんことが出てきたりします。
先生 色々な地域でさんざん言われましたよ。施工は業者の輪が大事。日本的よさと言うんですか。内側の密接なつながりが大事みたいですね。私も最初は工務店に元請を頼んでやっていたんです。ですけど彼らは内側の事情を明かさないですから。契約した途端に足元みられますよ。契約すると立場が逆転するんです、彼らが強くなる。ハウスメーカーもそうですよ。
ご主人 どこもそんなもんです。私も自営業ですから良く分かります。
先生 公開しないのが一番楽でいいけど、そうすると結局請負と同じになるんです、設計者は請け負ってはダメなんです。そういう倫理規定がありますから。施主の代理人となって、ということが書かれています。請負と違うのは工事するごとに金額が少しずつ減っていくことですか。事業収支と同じです。予算と決算があって、赤字とか黒字とか当たり前なんです。任されると請負の気分になってしまって、自分で決断してしまいがちです。お客様に毎回サインしてもらうことが大切です。何十回とサインしてもらうことになりますが。
コミュニケーションの取り方、最近の傾向…
先生 最近は全部でメールでやり取りできますから楽ですね。記録も残りますし。
ご主人 遠方の方もメールですか?
先生 メールばかりではないです。ネットはやらない方の場合はFAXですね。
ご主人 ぼくもサラリーマンやってまして、毎日メールメールでした。今も仕事柄毎日パソコンは欠かせないですね。
先生 ネット銀行やられてた方もいらっしゃいましたね。
ご主人 それは僕もまだですね。
(次回、いよいよシーダ・バーン内部をご紹介!)