シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



昨今草
さっこんそう
2015年3月31日(火)晴れ

「子どもの視点」
もうすぐ出来上がる住宅のスキップ階段を前に、施主との会話。小学校にあがるお子さんの友達も下見に来たようで、この階段を見て、「どうして階段が二つあるの?」と。「これは山の岩のぼりみたいに凸凹してるんだ」と、お子さんが答えたらしい。子どもの世界は大人にとって、常に新鮮だ。スキップ階段、補助階段と呼ぶと狭くなってしまう。思い出したのが「いわば死後」でなく「岩梯子」。前に立つと、名前の通り急な岩場のように見えるが、登ってみると不規則な足がかりのある斜めの階段のように感じる。そこを求めて多くの老若男女が訪れるわけだ。階段を前にして「今日はどう登ってやろうか?」という気持ちになれるかどうかが、デザイン勝負の分かれ目。かろうじて雑誌原稿にも書くことができた。規則性と不規則性の葛藤する階段でも、まだまだ世界がひろがる気がする。