シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



現場速報-10Z邸5日目午前、擁壁配筋


主な登場人物
  • オヤジ:基礎屋の社長兼親方。口も手も動きが速い。
  • リキ:組の番頭。力が強く頼れそう。
  • トモ:オヤジの息子。最初リョウと呼ぼうとしたが、オヤジがトモちゃんと呼んでいる。息子さんで、気が良さそう。 



フェリー ニューながと というのはニューでもなくて、メインの船がドック入りしたときの代役船。たぶん前世代の一隻。今回は日曜日出発で平日より1時間20分遅い。着岸も8時半、バスで駅前8時50分着。そこからバスに乗って約10分少々で現場。




現場着くと、ちょうど基礎工事開始か。オヤジ。リキ、に初めての若者。そばに近づくと、「おはようございます!」元気がいい。あだ名は何にしようか・・・良のリョウ。すでにガレージ側の塀が撤去され、掘り方、砕石敷きまで終わっている。金曜日の擁壁コン打ちの時にしたという。その砕石の上鉄筋を手で刺していくとずぶずぶと入っていく。心配になってオヤジに聞くと、転圧まだで掘り返したからじゃないかという。不安だったらどこか掘ってこよかといって、ユンボに乗って便所南のところを掘削してみると、


あれ、ガラと古い配管一緒に水が染み出てきた。これは水槽のようなもの。コンクリートの浄化槽かなぁー、そんなもんです。そういえば西側にも配管があった。家が建っとったんです。話しているそばを、リキが通りがかりに、そうだ家が建っとった。掘り返してみたけど、ここは全然問題ないと。鉄筋が細すぎるということもあるかな。10ミリだから。地耐力計算でいくと1平米3トンで、1センチ角として1000分の一。たった300グラムだから10キロの力で入っていって不思議はない。


擁壁の型枠はずし。際は板でエクスパンションジョイントとしている。リキがランマーかけているので、その後のところを10センチの3センチくらいの木っ端で押しつけてみる。さすがに土に入ってはいかない。30キロの力でも。地盤が不安定なら、ベタ基礎なのかな。リキは確かにベタは全体で持つからな、という。オヤジとにかく前向きの考えですすめましょうと。鉄筋も布基礎で頼んでるし。もう一度境界の位置を墨出し。先生、境界どおりに基礎しましょうか、それとも1センチか下げますか。うーん、どうなんだろう。この前の現場では隣のブロックが2センチさがっていました。リキが普通は下げるな、というので1センチ控えることに。

擁壁のコン打ちのときに作った束石とサイコロができている。羽子板はT字金物で1個75円。先日見本を持ってきたひとつの候補、近くの金物屋でオヤジと確認したもの。束石型枠は杉板の20ミリくらいのものでもう1個新品できている。ほどなく電気屋サイが顔見せ。電気図をもってきて質問あります。引き込み柱から建物のところまで基礎沿いに配管を入れておきたい。先行配管ですね。いいですよ。でも、母親棟のほうに行った方がいいかも。などと話しながら図面覗き込むと蛍光ペンやボールペンでびっしり検討している。見積もりのときにチェックしたものかもしれないが、随分検討が進んでいる。(暇なのか熱心なのか、その両方かもしれない。)ブロックベースの寸法チェック。幅450厚み12010ミリ3400ピッチ。L型高さ3段分。あっという間に配筋。そういえば、西隣のサービス部分にドアがあって枠をこちらのブロック塀にボルトでつけているから、切り離して解体すると聞いていた。よくみると確かに、付いている。門前のカイヅカの地盤も盛っていて被せているわけで、人のブロックでなく自分のところブロック積んでしなければいけない。10Zさんに言わせれば、けしからん。それでも工事する者は低姿勢でしないとな、とオヤジ。ガレージの解体基礎は15センチのブロックの下に捨てコンで打った程度のもの。それに比べれば今回の基礎幅十分だし鉄筋入れるのも贅沢。これだったらしっかり何が来ても倒れたりしない。

ブログのスケッチブックの項目と代替でもくろみ抄の解説文作成。チアに送る。目論見という言葉ふだん良い意味で使わないが、今回はこれで行こうと思う。