シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



追掛帖-10Y邸上棟式


13時過ぎ、最寄り駅到着。電話で先生から「剣菱買って来てください」と指示があり、駅前のスーパーに向かう。剣菱なく、モンドセレクション金賞の日本酒を買って、熨斗をつけてもらう。縦書きで「奉献 シーダ・バーン」。よし。

14時前、調べておいた○番のバスに乗る。しばらく乗っていると・・・いつの間にやら・・・えっ?終点?!どうやら違う系統のバスに乗ってしまっていたらしい。運転手さんとてもやさしい方で、運賃360円のところ、「間違いだから目的地までの料金300円でいいですよ。」お礼をして、正しいバスを教えてもらう。バスを降りるときにも何度も「反対側のバス停、◎番のバスね」と念押し。私そんなに頼りなさそうかしら。無事、正解のバスに乗り込み、15時前、ようやく目的地に到着。これからはバスの表示をちゃんと確認して、乗る前に運転手さんにも確認しよう!

しょっぱなから失敗して少々落ち込みながら現場に向かって歩く。目の前に、いつも写真で見るシートで特別仕様の古アルト見え、ひと安心。すると、古アルトのちょうど傍を先生が通りすぎるのを発見し、もうひと安心。ようやく着いたあー。先生に「ご苦労さん」とお言葉かけていただき嬉しい。ご機嫌になって買ってきたお酒を差し出すと、「あー、ダメだよ、これじゃ。常識的に考えて一升瓶でしょう。あとで買いにいきましょう。」あぁ、バスに続き、2度目の失敗・・・。

1週間ぶりに見る先生は真っ黒に日焼けして汗びっしょり、厳しい目つきであちこちチェック。今なお最前線でがんばる先生、かっこいい。職人さんも、汗きらきら。働く男子、かっこいい。いつも写真で見る風景を目の前に感動。写真では分からない、木の香り、砂埃の香り、汗のにおい。すっきり骨太な骨格、安心感・安定感を感じます。

邪魔になってはいけないので、敷地の外でしばらく写真を撮ったり、静かに見学。しばらくして、10Yさんのお母様到着。事務所で自分が書いた看板を発見、うれしくてパシャリ。

15時過ぎ、職人さんたち休憩。その隙に、先生と古アルトの遮熱シートをはずし、近所の酒量販店に剣菱を買いに。 剣菱入手して、上棟式の準備にかかる。

最初、貫に直接棟札を立て掛けていたが、先生どうも気に入らず、棟梁にベニヤ板を持ってきてもらう。そこに、改めて棟札とお酒(剣菱)を立て掛ける。貫の上の木屑はらったり、上棟式場の草むしりなどしたりして、ひとまず準備終了。大工さん一堂、現場のお掃除などしながら、10Yさんご一家の到着待ち。

Y、屋根の上にいます
その間、先生に現場案内していただく。いつも写真で見る風景を間近に見て感動。屋根の裏側を触ってみる。容赦ない日差しを受けているはずの屋根、意外とやさしい暖かさ。足場階段をのぼり、屋根階に到着。先生に「上がってごらん」と促され、鉄パイプに手をかけ屋根の上へ。お。意外にすいすい歩ける(4寸勾配)。いい気になって反対側(6寸勾配)に行こうとするも、こちらは急すぎて怖気ずく。やっぱり職人さんて、すごいなあ。

16時ごろ、10Yさんご一家到着。棟札に榊をつけて、お酒、洗い米、お塩、御札、すべて揃った。上棟の儀、はじまる。棟梁がはじめに二礼二拍子一礼。そのあと、建物の四方にお米、お塩、お酒をまいてお清め。棟梁が塩、先生がお米、10Yさんがお酒担当。北東角、南東角、南西角、北西角の順にお清め。先生挨拶のあと、10Yさん挨拶促される。が、突然のことに言葉が出てこないご様子、感慨深げに骨組みを見上げる。先生、終了の挨拶のあと、手締めにておしまい。その後、10Yさん、大工さんたちにご祝儀とお土産を渡し、皆で大工さんのお見送り。

大工さんたち帰り、先生、10Yさんご主人と給湯器の件でしばし立ち話。
10Yさん 「ネットで調べたら、エコジョーズは補助金が2万円出るみたいで」
先生    「追い炊きよりも、新しい高温のお湯でさし湯された方が
          10Yさんらしくていいと思います。
          古いお湯が通る配管ですから、どうしても清潔が保ちにくくなりますし。」

17時前、先生と車で駅へ。駐車場にて車内の整理。先生、リュックサックにスーツケース、大荷物でたいへんだ。駅前にて、今朝買い間違えたお酒を返品。電車まで少々時間あったので、先生とお茶飲んで一服。その間も、先生電話で業者さんとやりとり。17時半の電車で帰路につく。ほんの数時間の追っかけでしたが、失敗あり勉強あり感動ありでお腹いっぱいの一日でした。




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