シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



回顧録2010その1 土潤


久しぶりのブログ再開です。

来訪された方々には
長い間の失礼になってしまいました。

ちょうど1年前に開始、
多忙にかまけて年初に挫折。

そのまま今に至りましたが、
ようやく充電可能となって、
ここに新装開店の運びとなりました。

思うに、ブログそのものに力を入れすぎ、
本業とのバランス調整に狂いが生じたためです。

悔しい思いを秘めて、
欲張りですが、「先生日誌」を
ほぼリアルタイムにアップしながら、
「回顧録」同じ日の過去を振り返っていきましょう。






2010年8月8日(日)晴れ
完全休養日。昼前昨夜の仕出し弁当を、小若親子と再度堪能。昼過ぎ、番頭連れで大阪のギャラリーで信楽の陶芸家大谷哲也氏の展示会。照明シェードを多数購入。今やシーダ・バーンの必須アイテムとなりつつある。





2010年8月7日(土)晴れ
10y邸基礎工事。ベース配筋。
夕方、番頭と待ち合わせ、京都五条の陶器市へ。その足で、早々と6時には京阪三条の居酒屋へ。すぐ前をおばさん組が歩いている。いやな予感が的中し、なんとカウンター満席で待ち。しかも、いつもの、口ははっきりしているが気の優しいお姉さんが何故かお休み。席の空く時間わからないという。そんな無愛想な接客あるかと憤懣の極み。その足で川を越えて、三条下がるの仕出し屋「川繁」へたどり着く。こちらは十年超えて久方ぶりのお店で、安くはない単価に始終貸切状態。舌鼓打ってもお値段には真っ青ながら、帰りにおみやげ弁当ぶら下げて帰路。



2010年8月6日(金)晴れ
終日事務所。10ex邸の構造材スケッチ。10y邸は職人さんの都合で休み。シーダ・バーンの改修。建具職人さんに来てもらって、渡り廊下の一部雨のかかるところに波板屋根を付け足してもらう。











20108月5日(木)晴れ
10y邸基礎工事。ベース捨てコンまで。
現場速報-10y邸基礎工事2日目午後


2010年8月4日(水)晴れ
10y邸基礎工事初日。丁張り、掘り方など。



2010年8月3日(火)晴れ
終日事務所。

2010年8月2日(月)晴れ
10z邸地盤調査のため早朝の新幹線で番頭と現場へ。駅レンタカーで午前中、地盤調査の立会い。終了を待たずにお昼前、単身で隣町の設計事務所を訪問。不案内の土地柄、今後の工事専門業者の紹介を乞うため、設計事務所の所長さんを訪ねる。JIAに本建築家協会がらみのご縁だからと、半ば期待を持って。しかし、後にとんでもない結末が待っているとは知る由もないが、詳細は語らぬ。お会いした時、何か不自然不安な感慨を抱いたこともないわけではなかった。夕方待ち合わせて新幹線にて帰路。

2010年8月1日(日)晴れ
昨夜の運転疲れを癒す完全休養。
しかしながら、バトが10y邸の近隣挨拶に出向いてくれている。


2010年7月31日(土)晴れ


日々の想い


311日に発生した東北地方太平洋沖の大地震と
それにともなう大津波において亡くなられた方々に哀悼の意を捧げます。

避難を余儀なくされている皆様には一同、心よりお見舞い申し上げます。
また、電話等がつながりにくく、ご連絡差し上げられない皆さまのご無事を、
ただただお祈り申し上げる次第です。


納屋組においては、住宅の仕事に追われ多忙を極めています。

殊に、遠方での工事監理にもかかわっているため、
3月~4月の入居準備の時期と重なってきました。

ブログの更新が年初より滞り、皆さまにはご心配おかけしていますが、
日々、心底疲れるまで仕事の方に傾倒しています。

いろいろな想いが頭をめぐり、あっという間に一日が過ぎてゆく日々です。
なにとぞお察しいただければ幸いです。


市居 博



目論見抄-10EX邸、実施設計打合せ終盤2



あらすじ 

実施設計は終了。工事の段取りに入っていく10ex邸。今日は10exさんご家族で地鎮祭を催行されるということで、先生が現地に赴くことに。地鎮祭も無事終了して現地からインスピレーションを受けた先生が・・・。



配置の変更

先生    シーダ・バーンように庇をもう一段付ければ大屋根の軒の出小さくし、もっと北側へ建物を寄せられます。(立面図に記入)

ご主人  どのくらいかかりますか?

先生    板庇で、人工・材で若干上がります。

ご主人  それでお願いします。

先生    わかりました。(縄張り、北へ30cm移動させる。)



ご主人のご両親が到着し、お母様が先生のもとにやってきました

お母様  先生、お世話になります。こんな狭い所で建ちますか?

先生    更地の状態では狭く感じられます。出っ張ったところにレッカーを置いて何とか通れるので建てて行けます。


お母様  工事中のことですが、もし苦情が来たらどんなふうにされるんですか?

先生    まずはどのようなご不満なのかよく伺って、10exさんにご連絡します。即答せずに、『10exさんにお伝えします』というと、相手の方も無理難題はおっしゃられることはありません。工事は一時のことなのですが、その後は長いお付き合いのこともありますから。近隣へのご挨拶の際、請負ではないご説明をしようと。

お母様  息子が屋根裏で寝るといってましたが、暑くないんでしょうか?

先生   屋根裏はもともと暑さを和らげる空間としてありますので。瓦屋根とすることで夏は日中は暑くなりますが、夜半には熱が抜けます。私も以前は屋根裏で寝ていましたが健康的には問題になりません。

お母様  クーラーとかは?

先生    それぞれです。逆に冬は暖かいし。自然と共に暮らすので。

お母様  先生のお宅の前を通らせてもらいました。カーテンがいらないと聞いたのですが、必要じゃないですか?

先生    不要となることを考えた結果が、面取りガラスと雨戸の組み合わせなんですよ。

お母様  強化ガラスですか?泥棒は?

先生    まずは雨戸が防犯になります。昼間は注意してもらわないといけないですが、捻じ締りや釘、鉄筋のバーなど防犯の工夫は何重にも考えればいいのです。

お母様  そうなんですね。息子には、いろいろ言うから出てくるなと言われていますが、どうぞよろしくお願いします。



続いて、ご主人のお父様もやってきました

お父様  耐震のほう、よろしくお願いします。




軒の出について

先生    南側は今までどおり、軒の出を長くしたまま、北側に庇を追加し出を短くする。瓦の割り付けにも影響して、それによって軒の出もかわりますが。

ご主人  そうですね。

先生    それに来客用の車止めの幅、こんなにいらないですしね。



近隣への挨拶について

先生    近隣へのご挨拶は?

ご主人  これからです。今からではないですが。

先生    この日までは土をいじってはいけないんですよね?

ご主人  そうですね。翌日からは大丈夫です。

先生    地盤がよかったのですぐにでも基礎に入れます。

ご主人  わかりました。挨拶の時に事務所の方が一緒に来られるという話でしたが、日にち決まったらご連絡すればいいでしょうか?

先生    そうですね。

ご主人  夕方ぐらいに挨拶すればいいですか?

先生    土曜日の朝が都合いいのではと思います。

ご主人  わかりました。



おわり

目論見抄-10EX邸、実施設計打合せ終盤1-5


あらすじ 

実施設計の終了に際して、工事費の明細の説明をする段階に。工事内容に見合う金額の目標、すなわち予算が適切に配分されているか、ひとつひとつ根気よく説明する先生に対して、10exさんは熱心に聞き入っていく・・。5回でお送りする最終回です。




薪ストーブ

先生    (図面を指して)煙突は梁下を通ること。じゃないと床板とか炭になってしまいますよ。土間が低いから梁下でいいし、ここから掃除できる。

モコ    すみません、修正します。

先生    2重煙突は2本分で。

ご主人  シングルとダブルの違いはなんですか?

先生    通常は内部はシングルの煙突で、ダブルは外気の影響を受けるところに使います。冷えて煙が戻ってこないようにするんですね。横引きの比率がありまして、早めに横に引いたほうがいいんですよ。上に行くまでに冷めてからだと、煙が戻りやすくなりますから。それからシールドは2階にいらない場合多いです。1階はいる場合もあります。2階は様子見て入れましょう。ストーブ位置、7通りにもうすこし寄せて、後ろにはモクセン板の遮熱板を置く。熱による建具のそりも減るので・・。この遮蔽板は夏は横にはずしてもらうなど出来るようになっています。

ご主人  建具は熱でやられるんですね。

先生    窓の位置、ストーブのために建物の形が変わるのはいけない。夏はストーブは置物、オブジェになるのだから。窓ありで。

番頭    上に窓があったほうが明るく風もとおり、目線もさえぎる。

先生    夜は下を閉めて、上を開けるとのぞかれないですみますね。

番頭    どこか別のお宅で、面取りガラスの隙間からのぞいてた人とかいるので。


詳細図説明いろいろ

先生    書斎机、1段目の引出しに取手をつけます。上3段は有効80mm高さ、一番下はA4ファイルが立てて入れられるように270高さを。真ん中に150ぐらいの引出を一つでと考えています。

ご主人  いいですね。

先生    階段下のPC机、座っても後ろが通りやすいように中に入り込んでいます。標準図と違うので、PC机の図面作成は現場で間違えないようにしましょう。建具、地窓・掃出し窓は敷居を付けるので段ができます。防犯格子は雨戸のない所、浴室などに入れます。

ご主人  床点検口とは?

先生    床下をメンテナンスできるように400×600くらいの板を外して人が入ります。押入れのところにあります。平面図に載っていないなぁ・・平面図に記入するように。

モコ    了解しました。

先生    スノコは胴縁でつくります。押入れの枕棚などです。ヒモというのは、雨が入ってくるのを防ぐ15ミリ角、5分角の棒を窓に打ち付けます。これがないと台風の横なぶりの雨が大量に入ってきたことがあります。

ご主人  ベンガラはなんですか?

先生    外の塗装は柿渋ではなく、ベンガラを使います。ベンガラと桐油を混ぜて塗り、ぼろ切れで拭き取ると木目が出ていいんです。このメモはどの範囲まで塗るかの注意書きです。それから、これはモクセン板の嵌め方の指示書です。モクセン板にも表と裏があり、制作段階で下のほうにモルタルがたまるんですが、そちらが裏です。表を向けて取り付け、間違えないように。内壁はどっちを表にするかということがありますから、原則を作っています。

ご主人  なるほど。

先生    確認申請がおりましたらこれらの書類をお送りしますので。

ご主人  わかりました。よろしくお願いします。


おわり

目論見抄-10EX邸、実施設計打合せ終盤1-4


あらすじ 

実施設計の終了に際して、工事費の明細の説明をする段階に。工事内容に見合う金額の目標、すなわち予算が適切に配分されているか、ひとつひとつ根気よく説明する先生に対して、10exさんは熱心に聞き入っていく・・。5回でお送りします。




契約について

先生    契約は確認がおりてからということで。確認済み次第、書類をお送りするので、今説明しておきます。入金は例えば3回に分けて入れてもらいます。

ご主人  金融機関はどこかいいですか?

番頭    いいところは、振り込み元が印字される銀行がいいです。

先生    入金のタイミングは、契約時、上棟時、外部造作終了時という流れで。3回目は竣工ではないんです。入金があってはじめて注文書が出せるわけですから。入金額は各回違ったほうがいつ入れた分かがわかりやすいのでご理解ください。

ご主人  わかりました。

番頭    3回目の外部造作時の定義が、今のところ曖昧になっています。外部敷居鴨居戸袋、モクセン入れ・・どこまでなのか?入金して頂きたい時点でメールでこちらからご依頼するのでお願いします。

ご主人  わかりました。

番頭    表示登記は関連のお話は時期が来ましたらということで・・。

先生     話しは変わりますが、近隣が密集地なので地鎮祭終わった時点で挨拶まわりを したらどうかと思います。

番頭    その際は事務所所員も一緒に伺います。

先生    工務店のように近隣対策費はありませんから、分離発注であることをちゃんとお伝えしないと、と思います。

ご主人  わかりました。

先生    今日は電車で?

ご主人  はい。

先生    模型は宅急便で送ります。

ご主人  わかりました。お願いします。



図面について

先生    (平面図)控えの間の本棚は24cmの柱でおさめましょう。玄関は踏み込み高さ変えました。キッチンタイル、300角もいいかなぁ?
200角で鉄砂の色、300角織部で大きさ見てもらう)

ご主人  いいですね。

先生    浴室・浴槽はモザイクタイルで。(タイル見本と写真みてもらう)色は決まっていませんが。このお宅と同じように床はモザイクタイルのみでしょうか?

ご主人  (サーモタイル見て触って)これもお願いします。

番頭    土間はどうして地窓だけにしたのですか?前が通りだから上に取ってもいいかと?涼しい風が通るのではないかと思いますが。

先生    以前のお宅では高窓にしましたが、今回は地窓で。目線のこともありますよ。地窓近くに植栽し、涼しい風が板の間まで来る。

番頭    通常の貫高さじゃないんですね。できれば上にも高窓を・・・。

先生 (模型見て思案)7のワに柱いる。壁か・・・?



つづく