あらすじ
フェリーで遠方に行き来する現場の基礎工事は一筋縄ではなかった。しかし地元の顔とでも呼ぶべきオヤジに導かれ徐々に道が拓かれていく。
主な登場人物
オヤジ:基礎屋の社長兼親方。口も手も動きが速い。基礎工事幕の主役。
ブル:型枠職人、おっとりしている。
昼過ぎ10yさんに電話。
「薪ストーブは量販店ものではなく選んで行きましょう。」「コンパクトなもの希望していますのでお願いします」「便所の錠の件ですが、これはこちらの手違いありました。シーダバーンと同じ表示錠(内部サムターン付き)がいいと思います」「それがいいですね」「ツマミはネットでもう購入されたので仕方ないですが、ネットの型ガラスの件はサンプル取り寄せして決めましょう」「外壁ですがポーチにおいてあった漆喰色サンプル、5種類作りましたが、最初に作った黄色味のコテ押さえがご要望の校庭の土色に近いですね。スパニッシュ瓦ともあっていますし、南仏のプロバンス風でもありますよ」「はい。それがいいです」などと、やはりじかに声で話すのが一番である。
午後、型枠工事進展。ピーコンのボルト位置にあうように反対側の型枠、これは外側だから新品に穴をあける。そして型枠押し込んで、そこに何か複雑な形をした金具を取り付ける。型枠職人ブルから質疑。この玄関土間の立ち上がり低いけん、図面通りやと鉄筋が飛び出てしまうわ。」「どれどれ、あ~鉄筋間違えている。このままだと柱切らなあかんですわ。オヤジに連絡して直してもらいます。」
15時20分オヤジ再登場。「どうするんですか?カットしたらここだけフック無しになりますか?」「いや、格好は自信ないけどフックつけます。」「意地でも?」「意地も何もないです。図面にあるようにするだけです。といいつつ番線をほどき、フック筋上部をカットし、パイプ風の道具でまげてゆく。」手作りフックだ。範囲も短いせいか30分ほどで終了。
ところでだいぶ建て込み終わりましたね。内側固まっているからそろそろ対角測りましょうか。建物大きいから3つの四角い部分で測りましょう。3つのは位置関係はトランシット信じて。まあつなぎの部分だから多少いがんでも・・。これだったらもうできる。リビング棟から行きましょう。急ぎマナに連絡してピタゴラスの定理で対角寸法出してもらう。
巻尺ここが0ですからあわせてください。いいですか、引っ張ってますか?はい、10.420ですとオヤジ。あれ、ぴったりだ。反対の対角いきましょう。10.420!オヤジあらかじめ計算してたんではないの?そんなことないです。次は母親棟できますよ。まず一つ目の対角・・10.540です。5ミリ多いな。もう一方は・・10.530dす。こっちは5ミリ少ない。オヤジ、4辺測ろうか。4辺ともほぼ7450です。
そうか、そういうことか。つまり少し菱形になっているんだ。その誤差はキャドかなんかでわかるけど、わずかでしょう。いいとしようか。家族棟はまだできていないから明日にでも。などといっているうち家族棟も出来上がり。測ってみるとほぼ四角でオーケー。結局対角チェックはこれで終わりだから、コン打ち前に駆けつける予定はなし。17時型枠屋退場。オヤジに見積もり依頼書、合板と金物渡すと、即座に電話、話しつけてくれた。オヤジ退場の後、それぞれに電話して納屋組からファックス送りますからよろしくと。チアがファックスしてくれる。18時前退場。理栄泊。