一日おいて基礎工事3日目。前回、往きの通勤時間がかかったので時刻表調べて6時37分発で8時10分着の電車にしてみる。電車下りたのを見計らったように事務所Iさんから連絡。上棟時の式が平日になるから、10Yさんと日時よく打ち合わせしてください、と。今日は土曜日で現場に来られる予定。西側隣地に足場空中を借用する件、北側給排水管の露出なくすためブロック1段分土盛りの件とともに、3点忘れず打ち合わせすることに。
古アルトで現場着8時25分、快晴だが今朝は秋のようなさわやかな風を感じる。基礎屋さんは少し遅れて登場。鉄筋などの荷積みしていたのだろう。基礎2人+設備の常連に、後から親方着き総勢4人で現場作業にかかる。鉄筋は長い主筋とフック付いたベースと立上りあばら筋。ベース型枠はスパン長いところは杉の足場板の使いまわしと短いところはベニヤを使うようだ。型枠設置からはじめ。倒れないように地盤に木杭打って釘止め。地盤までぎりぎりだが固いので作業は楽そう。
親方「布基礎久しぶりや。
今はどこでもベタ基礎やから」
先生「懐かしいですか」
親方「でもな。ベタ基礎は湿気の問題とか心配やけど、
立上り少ないから床下もぐられへんしな。
ほんま心配しとるんや。」
先生「でも鉄骨系住宅は布基礎じゃないですか?」
親方「ほんまや」
先生「何故だか知ってますか?」
親方「わしらそこんところはわからへんけどな」
先生「壁の耐力が強くて基礎の成があったほうがいいかららしいですよ。
ある意味布基礎のほうが強いんですよ」
親方「そういうことなんか」
先生「でも今はどこもベタ基礎にするのは、
手間がかからないからですね。
何より金額安く済ませることで頭いっぱいですから。」
親方「わしら最近メーカー住宅やらへんのや」
先生「そりゃ贅沢です。仕事選んじゃあかんですよ・・・
でも今回は私たちは一見さんなのによくお受けいただけました。」
親方「最初はそんなええ話あるんかいなと思うたで。
冷やかしちゃうかと。こっちもな、いろいろ調べて受けたんや。」
先生「ありがとうございます。
うちはきちっと仕事してくれたら現金払いだし、
無理押しはしませんから」
親方、今日は鉄筋組みの段取りしながら仕事ぶりをしゃべってくれた。
さて、型枠設置したので、隣地境界からの寸法が目に見えてきて、再度実測する。境界杭から西、北25ミリ塀のブロック基礎控えているので、型枠外側まで1100+25-225=900ということになり、ほぼその通りの工事である。ついでに各間仕切り基礎の寸法あたっていく。この人たち寸法取りは慎重にやっているので、勘違いないかどうかの点検の意味。今のところ矩の手はトランシットを信じるだけ。最後の立ち上がり型枠で対角確認を待つことに。
10時過ぎ10Y ご夫婦お見えになる。私は離れたところにいたので、すでに職人さんに冷たい飲み物振舞ってくれたよう。遅ればせで親方に紹介。朝方の施主連絡事項を伝え、その後お隣へ足場の件で挨拶に行かれた。手土産は特に持っていなかったように思う。結果、ご主人にご了承得たようだ。
先生 「お隣いかがでした?ご主人おられましたか」
10Yさん 「はい。同世代の方なので安心しました」
先生 「そうですね。
年配の場合いろいろ知恵がついてくる場合多いですから。
でも今後も心遣い絶えぬようお願いします」
10Yさんからから柿渋についてのお問い合わせ。
10Yさん 「屋根野地板の裏を予め塗っておいたほうが楽ですけれど、
自分たちにその時間ありますか?」
先生 「納品場所が十分でないですから上棟時に納品です。
上棟後すぐに野地張り工事になりますから時間的には余裕ないです。
一般的には製材所で塗ってもらっていますが、
本人が現地まで行って塗れても旅費も宿泊費もばかになりません。
柿渋というのは言ってみれば色づけですから。
梁や桁もまだ塗られてないわけで、
住んでから一緒にじっくり塗りこんでいくのでもいいわけです。」
10Yさん 「わかりました」
先生 「道路沿いの斜面地もそうです。皆さん擁壁などで体裁とっていますが、
このままでもシンプルでかっこいいですよ。あとでゆっくりつくりましょう。」
10Yさんから職人さんへの10時、15時の休憩飲み物、箱買いを預かりました。ポカリ280g×24、三ツ矢ブドウサイダー250g×20、随時休憩に出しますがクーラーボックス用意しなければならない。それからビニールゴミ袋45リッター10枚5袋。現場置き場所まだないので、いずれも車中預かりとした。「施主様から休憩時の飲み物頂いています。10時、3時にお出ししますけれど、今日は冷えていないので帰ってからでも飲んでくさい」「いやー、そんなに気使わんでも・・。そうやな、明日からクーラーボックスに氷入れてもってくるわ」
近隣対策だが、現場仕事には騒音や振動、塵埃あるいは路上駐車、大型車の出入りなど人為的な異常事態がつきもの。問題は誰が苦情対応をするかということ。まず元請工務店はいないので、施主とよく相談しながら対策講じなければならない。最終責任者は施主だが、苦情受けたり連絡する役目が事務所となる。事務所としては請け負い工務店との誤解がないように近隣挨拶は控える方針で、近隣挨拶のときに施主がそのあたりの事情よく説明しておく必要がある。しかし設計と施工の分離状況が根深く浸透している状況ではどこまで理解を得るやら分からない。
(つづく)