あらすじ
2010年某月某日(土) 10:00~12:30
10EX邸の打合せの様子。議事録として記録しておいたものが再発見されたのでアップすることに。打合せ前に小屋組のスケッチに気合が入っていたが、今回斜線制限の対応によって、小屋裏の床の段差がなくなることとなった説明から始まった。
小屋裏について
先生 メインの部屋を二つ確保、階高を統一したので階段が少し長くなりました。
ご主人 前の図面の高い位置のところまで上がっていくということですね。
先生 そうです。収納スペースもできますし、吹き抜けができて感じがいい。寝る部屋というスペースで3部屋。私の家も4~5年小屋裏で寝てました。
天井低くても乗組員のような感じで。小さいお子さんとはいっしょに寝て、大きいお子さんは別など、お子さんの成長に合わせて臨機応変に。子供が大きくなって出て空いていても、帰ってきたときに寝られるスペースぐらいに。
仕切りに構造体の貫が入っています、それによって建物がしっかりするということです。
外観について
先生 階高が高いので両方の軒の出を長く。シーダ・バーンでは二重に小庇がまわっているがこれをするとコストが高いので。
ご主人 なるほど。
先生 大屋根を 30cmぐらい伸ばしています。1階も駐車時の出し入れがしやすくなりますし、前にちょっと車を停めることもできます。玄関土間は、涼しい風を入れる感じでプライバシーも考えて地窓で。
ご主人 前は高窓でしたね。
先生 今回は地窓で、土間なので。
風の間について
先生 風の間と母屋、屋根がつながっていたが北側の階高が上がったので切り離しました。小屋みたいに。ここだけ雰囲気が違う感じで。やぐらみたいになっている。できたらここは、屋根をモクセン板で。杉板だと高い。モクセン板で屋根やると感じもいいし値段も1/4~1/3ぐらい。
ご主人 あぁ、そうですか。
先生 できればここの床もモクセン板でやりたい。表面ぼそぼそですが、珪藻土塗ったり、薄い板を張ってもいい。(やりすぎ?)
モクセン板を張って、珪藻セラミックタイルというものがある。
板でも良いですが。湿気も吸うし、テラスという感じがします。
ご主人 はい。
浴室について
先生 プラン的にはお風呂を広くした。
浴槽の形のご希望は?
ご主人 (和歌山の家指して、)
これがいいなと思っています。
先生 わかりました。形は同じでタイルにしてほしいと
ご要望あったので。
ご主人 そうですね、広さ的にこれくらいと思っていて。
先生 浴槽、洗いやすいようにアールになっています。
お風呂の窓は無双窓で。少し板をずらすと開くようなもの。最近、基本的にガラス窓を使わず、板窓を使っている。
ご主人 南側の建具、ガラスが入っている(建具表見ながら)
先生 所員が認識不足で、一応ガラスは入れないということで。なぜかというと、ガラスだと結露もするし、入るとき姿が見えるので。シーダ・バーンの浴室は見られましたか。
先生 とにかくガラス無しで。昼間は換気のためにあけておく。明るいです。入るとき閉める。要するに入るのは大体夜。昼でも入るときは電気をつければいい。無駄な費用は使いたくないので。
ご主人 はい、なるほど。板窓ってどんなものでしょうか。
先生 シーダ・バーン、チラッとご覧ください。
小屋裏について2
先生 (席に戻り)小屋裏はこれでいいですか。
ご主人 妻とも話したんですが、この変わった図面を持ち帰ってもう一回話します。構造体が入ってるんで、基本的にこの間取り以外は無理なんですよね。
先生 無理ではないですが、建築構造は暮らしに従い変えられるものですが。小屋裏はあまりアクロバティックにしないように。
ご主人 上の子が高1と中1になるので、
プライベートな空間があったほうがいいかなと。
先生 そうですね。お子さんは三人女の子ですから、ちょっと離れたいというのはありますね。
ご主人 共有空間があるというのは、すごくいいなと思います。新しいプランで、東西に子供室をとったら十分プライベートな空間になると思うので。
先生 もうお一人は?
ご主人 一番小さい子はまだ3歳なので、寝るスペースがあればいい。
先生 ご両親とですよね。
ご主人 はい、そうですね。
先生 やっぱり、風の間がご両親の寝室になるんですかね。
ご主人 将来的にですか?今からなら1階の和室で寝ればいいので。
先生 そうですね、ストーブもありますしね。それでいいかなという気がしますね。
造作について
先生 本棚みたいなものは?
ご主人 書斎のとこに本棚あればいいなと。便所南側の壁にも。
先生 いい場所ですね。ただ階段の柱が移らないとちょっと狭いですね。
本棚24cmありますから。便所側は広いので、壁を抜いといて、袖壁出して5段の本棚できます。貫の間に本棚という感じで。
ご主人 いいですね。
先生 このやり方は以前もあるんですよ。場合によっては、本に合わせて棚の高さをつくれます。貫の間、だいたいA4が入る大きさ、本来の本棚の大きさはあんな感じです(シーダ・バーン内玄関の本棚)タテにちょっと仕切りいれたりですね。小屋裏の本棚はあんまり高くできないので、1~2段程度で。
ご主人 はい、それで。わかりました。
煙突位置について
先生 煙突が今便所内にあるんですが、これがどうかなと思ってるんです。ロフトの関係で。
ご主人 できれば出したいですね。
先生 ロフト変わったので、こう変更しましょう。(図面参照)リビングにももうひとつつけたいなと。最初下のストーブをつけて、夕食ごろに下を消してリビングのをつけるというふうに、小さいストーブで。
ご主人 煙突はつなげることできるんですか。
先生 はい、そうですね。追加できるんです。シーダ・バーンのストーブも追加で2台です。
小屋裏の電気
ご主人 小屋裏の高さで、引っ掛けコンセントで高さ大丈夫ですか。
先生 引っ掛けコンセントに直接取り付けられる照明
もありますので。
もありますので。
ライティングダクトとか。基本的には棟に、
あとそれぞれの母屋の側面にガイシなどを
つけるという感じで。
つけるという感じで。
ご主人 わかりました。
ダクト・フードについて
ご主人 東側に、ダクトありますがキッチンフードを作ってもらえるんでしょうか。
先生 フードは予算が入ってないので。簡単なものでしたら、換気扇をつけてここまで伸ばして、
ご主人 設備の表にはのっていたので。
先生 何十万と、フードが一番高いので。それはやっぱり予算がないとだめです。一応風の間が部屋になる可能性があるのでここには出せない。小屋裏にいったん出て、外に出します。
ご主人 はい。わかりました。
先生 フードは予算があればやるものです。シーダ・バーンはないです。前はしきりに要望ありましたが。マンションなどは気密住宅には必要ですが、シーダ・バーンでは五分五分です。
テレビの位置について
ご主人 PC机にインターネットと電話をお願いします。テレビは1台しかなく、西側の壁にほしい。ダイニングからも見れるように。
先生 そうですか?今までここで特に問題なかったので。あまり見るものでもないですから、ダイニングからも見づらい位置です。どうしても見るなら小さいテレビをダイニング側に置くなど。
ご主人 そうですね。ではテレビは今までの場所でお願いします。
インターネットはケーブルテレビを使っているので、
テレビと一緒になるんじゃないかと。
先生 一緒のほうが良いですね。
ご主人 そうですね。風の間にコンセントをお願いします。それから1階の控えの間にテレビ、インターネット、本棚をお願いします。ここがみんな好きなんです。
先生 そうなんですか。ここはいいですね。
ご主人 書斎、コの字型で机があったが、西側は要らないと思う。ズボンプレッサーとかを置くと思うので。東・北のみで。本棚も。
先生 わかりました。本棚はこう、浮いてるような感じで。
ご主人 わかりました。
外構について
先生 ここまでは塀をみています。予算も。
このへんまでやらないといけないですね。
隣地との塀は敷地内に?わかりました。
ご主人 外構は別途でしょうか。
(番頭参加)
先生 そうですね、材料は見ていますが、あんまりはいってないです。工事は入居後なので、それまでは南・東は既存のフェンス。残りの部分はバリケードで。(番頭に確認)
番頭 「いくらかかりますか」ではこちらも対応が難しいんです。「いくらあるのでできますか」がスタートラインになります。
先生 床と塀は耐火レンガがいいですね。シーダ・バーンのような格子があって。南塀はシーダバーンの南壁のように、ブロック積み2段にモクセン板かな。薪小屋を塀の代わりにするのもいい。薪もキチっといれるときれい、「薪小屋を見てるだけで満足」と言われるお客さんもいます。調達場所などは?
ご主人 ネットで売られています。
番頭 送料などかかるんですね。角の部分は囲いますか。ポーチの前にもうひとつ門扉が必要だと思う。オープンにしすぎるものね。
ご主人 斜めの道路、セットバックがあると聞きました。60cmくらい。
2階の変更点
先生 2階に上がってきて、これだと視線が開けてきました。荷物を貫の間から置けるので便利。カウンター・冷蔵庫は移動、食品庫はあまり変わっていません。階段の窓、よく見えるようになりました。かげになってたんですが。
ご主人 そうですね。なるほど。ここは手すりになるんですね。
先生 食品庫の方も広がりができました。
小屋裏について3
先生 東側も建具要りますか。溝は掘っておいてあとから入れることもできますが。
ご主人 建具、入れてください。
先生 小さい収納、必要ですか。ここをなくして吹き抜けにすればここからコミュニケーションできます。ここに手すりをつけて。ただでさえ3層にわたってコミニュケーションが難しいので。ここは吹き抜けにしたかった。これはいいですよ。手すりも2貫までL型で。
ご主人 そうですね。
試算表について
先生 予算的にはかつかつなんです。
ご主人 そうですね。和室は床板のようになるんですか。
先生 今、畳ですよね。
ご主人 畳の下は板ですよね。こういうのでも良いかもしれません。
先生 畳は今たいしたものないですから。裏に防虫を塗っておけば。湿気を吸うものですから、痛みやすい。私からすれば贅沢品。やめてもかまわないかなと思います。板の間だったら家具も置けるので。布団敷いて寒いとかないですから。
ご主人 そうですね。
先生 予算は考え方によってはあっという間になくなってしまいます。
余裕があれば気にしないでできるので。予算は設計していってああしたいこうしたいと、整理されてない段階で組まれています。でも案が決まってくると、拾い作業を行い、信憑性も出てきました。フードが入っていない。薪ストーブは別途。ストーブはどこかショールームにいかれたとか。
薪ストーブについて
ご主人 はい、むこうとも話をしたがどうしたらいいか。
先生 別途工事ですから。取り合い以外はしません。たぶん煙突小屋はつくりますが、貫通する煙突とかは向こうが。化粧の雨仕舞いなども。
ご主人 わかりました。こちらでお願いする場合、
お値段どのくらいになるんですか。
お値段どのくらいになるんですか。
先生 煙突や設計料込みで30~40万くらいですね。2次燃焼するものです。ストーブ屋さんなら掘り出し物があればいいですが。
ご主人 ストーブ屋に見積もりだしてもらいます。ここでお願いするかもしれません。煙突込みで70~80万と言われました。
先生 入門的にはしないほうがいいかも。ストーブ屋さんのはものはすごくいいものですから。小屋裏から2重煙突にします。コールドドラフトで煙が下に下がってこないようにするために。外国は冬国仕様で明け方まで火が燃えている。関西地方は冬も長くないし、昼は暖かいのでストーブの考え方も違う。よく検討してください。
ご主人 わかりました。
スケジュールについて
- 再来月はじめにCM契約
- 中旬、申請下りる
- 地鎮祭は整地した今の状態で。申請下りた後に。
- 翌月はじめから墨付け刻み、基礎工事
- 年末上棟屋根工事
- 来春足場が取れたら入居(入れる段階になったらすぐ入りたい。お子さん卒業式までは車で送迎)
雑談
先生 薪ストーブは冬いいねと言われます。暖炉はお金持ちが持っている感じ。設備的にはあまり推奨されていません。建築基準は大企業との兼ね合いで決められているものが多いですね。気密化などと呼応してエアコンがいいと。
ご主人 太陽光発電ははやってますが、今後も続くのか疑問です。
先生 気にしてるのが耐久性ですね。どんなものなのか。老朽化したときに、「取り替えたほうが安い」と言われたらそこまでですね。瓦屋根はメンテナンスいらないですから。それと、故障したときどうなるのか。取替え時期とか悩ましいですよね。今は補助金あり、エコポイントあり、調子いいですが。
CB全国展開紹介表
ご主人 すごいですね。
先生 今は私が尖兵になって・・。
ご主人 外にどんどん広がってますね。
先生 最近、関西での依頼だけではありません。外に行けるような体制ができてきました。工務店ではこうはいきません。地元に根を張っているから。チェーン化するしかないけれど、工務店でなくなってしまいます。
エクセル図について
先生 わかりやすい図面になってきました。
ご主人 三路スイッチと普通のスイッチというのは?
先生 普通は片方だけで操作しますね。ところが、玄関の照明みたいに、はいって、まずつけると、上がってから消すという感じです。あまりないです。階段と玄関のみ。
ご主人 わかりました。
先生 設計用の図面と施工者用の図面が違うんです。もの作り用の図面は正確に寸法見たいときにみる。設計用は簡便化しています。柱の大きさが多少違ったりしていい。スケッチのような。これでお話を進めて、施工者用の図面にうつるようにしたいのです。大体の図面はできているが、設計用の図面が決まれば施工者用の図面を修正する。(古い図面見ながら)玄関の位置は何で変わった?あぁ、南側から入ると広がりがない。ここからバッと見せるのがいい。
ご主人 なるほど。
先生 見やすく簡単に変更できる。あと積算も行ってくれるので。
ご主人 びっくりしましたが、自分でも間取りを考えて操作できるから
親しみやすいです。
親しみやすいです。
先生 CADは正確ですがどれだけ実際に役に立っていいるか疑問です。変更も大変、拾い直しをしないといけない。実施設計の中盤ぐらいからCADが必要になりますが、本当はエクセル図の段階で施工に入りたい。上棟はいつも伊丹か高知の大工さんにお願いしています。いつもの通りだから。でもそれは危険ということも考えておかなければ。軸組図など図面上で立ち上げて。10年間墨付けしていますが寸法はほとんどかわっていません。組み上げるときは木の癖があるので、1本ごとに向きなど見てくれている。天然ものだから手間はかけます。10exさんのところは伊丹の大工さんにお願いします。
(おわり)