シーダ・バーンのブログへようこそ。
これから家を建てようと思う人に伝えたい建築家の日々の仕事ぶりを綴っています。
学生さん、社会人の方々にも参考になれば幸いです。
なお、当ブログでは、人物、場所、日時等が特定できるような表現を控えています。



目論見抄-10EX邸、実施設計打合せ終盤2



あらすじ 

実施設計は終了。工事の段取りに入っていく10ex邸。今日は10exさんご家族で地鎮祭を催行されるということで、先生が現地に赴くことに。地鎮祭も無事終了して現地からインスピレーションを受けた先生が・・・。



配置の変更

先生    シーダ・バーンように庇をもう一段付ければ大屋根の軒の出小さくし、もっと北側へ建物を寄せられます。(立面図に記入)

ご主人  どのくらいかかりますか?

先生    板庇で、人工・材で若干上がります。

ご主人  それでお願いします。

先生    わかりました。(縄張り、北へ30cm移動させる。)



ご主人のご両親が到着し、お母様が先生のもとにやってきました

お母様  先生、お世話になります。こんな狭い所で建ちますか?

先生    更地の状態では狭く感じられます。出っ張ったところにレッカーを置いて何とか通れるので建てて行けます。


お母様  工事中のことですが、もし苦情が来たらどんなふうにされるんですか?

先生    まずはどのようなご不満なのかよく伺って、10exさんにご連絡します。即答せずに、『10exさんにお伝えします』というと、相手の方も無理難題はおっしゃられることはありません。工事は一時のことなのですが、その後は長いお付き合いのこともありますから。近隣へのご挨拶の際、請負ではないご説明をしようと。

お母様  息子が屋根裏で寝るといってましたが、暑くないんでしょうか?

先生   屋根裏はもともと暑さを和らげる空間としてありますので。瓦屋根とすることで夏は日中は暑くなりますが、夜半には熱が抜けます。私も以前は屋根裏で寝ていましたが健康的には問題になりません。

お母様  クーラーとかは?

先生    それぞれです。逆に冬は暖かいし。自然と共に暮らすので。

お母様  先生のお宅の前を通らせてもらいました。カーテンがいらないと聞いたのですが、必要じゃないですか?

先生    不要となることを考えた結果が、面取りガラスと雨戸の組み合わせなんですよ。

お母様  強化ガラスですか?泥棒は?

先生    まずは雨戸が防犯になります。昼間は注意してもらわないといけないですが、捻じ締りや釘、鉄筋のバーなど防犯の工夫は何重にも考えればいいのです。

お母様  そうなんですね。息子には、いろいろ言うから出てくるなと言われていますが、どうぞよろしくお願いします。



続いて、ご主人のお父様もやってきました

お父様  耐震のほう、よろしくお願いします。




軒の出について

先生    南側は今までどおり、軒の出を長くしたまま、北側に庇を追加し出を短くする。瓦の割り付けにも影響して、それによって軒の出もかわりますが。

ご主人  そうですね。

先生    それに来客用の車止めの幅、こんなにいらないですしね。



近隣への挨拶について

先生    近隣へのご挨拶は?

ご主人  これからです。今からではないですが。

先生    この日までは土をいじってはいけないんですよね?

ご主人  そうですね。翌日からは大丈夫です。

先生    地盤がよかったのですぐにでも基礎に入れます。

ご主人  わかりました。挨拶の時に事務所の方が一緒に来られるという話でしたが、日にち決まったらご連絡すればいいでしょうか?

先生    そうですね。

ご主人  夕方ぐらいに挨拶すればいいですか?

先生    土曜日の朝が都合いいのではと思います。

ご主人  わかりました。



おわり