あらすじ
実施設計の終了に際して、工事費の明細の説明をする段階に。工事内容に見合う金額の目標、すなわち予算が適切に配分されているか、ひとつひとつ根気よく説明する先生に対して、10exさんは熱心に聞き入っていく・・。全5回でお送りします。
レンガについて…
先生 『レンガ』は左官屋さんが施工するので。この窯変レンガは優しい雰囲気があります。炎の温度で色が変わるので、うっすらと上品に出る。(サンプル、雑誌写真の両方を見てもらう)
ご主人 こうなるんですね。
先生 色彩表では中国レンガでお勧めしたが、試算表では窯変レンガになっています。最終的には後日、この2案から選んでもらうかたちで。
ご主人 わかりました。
塗装について…
先生 『ガンコ』というのは略称で水をかけると固まる土のことで、頑固なマサ土というものです。レンガ目地やレンガを置かないところに使います。次に建具工事です。
『木製建具』これはもう製材所の近くで作って直送する全部建物と同じ杉材です。網戸も同様です。
『ガラス』はある程度まで型ガラス面取りを見ています。梨地のところもあります。
『建て付け』は各建具に付随して手間代拾ってます。大工さんでも出来ますが、今回は切り込み屋さんが工事します。専門道具類が揃っています。金物工事ですが、
『ビス釘』は構造用金物です。『握玉・三角錠・丁番・・』が建具金物。それから『家具金物』、レールとかツマミです。
『塗装工事』ですが、材料は大雑把に外部がベンガラ内部が柿渋です。手間でみているのは高所で塗りにくいところがありますので、10人工以下で見ています。塗りやすいところはご自分で塗る場合が多いです。先ほどの保険のこともありますので、安全に気を付けていただいて。内部は完全でもなくておいおい塗ってもらうというふうに。床板・天井板は取り付けてからでは塗るのが大変なので製材所で塗ることもできるようにしています。試算表には製材費で入っているので数字が出ていませんが。
ご主人 作業がどんなものか想像できないのですが・・。
先生 柿渋は小さなバケツに入れてハケで塗っていきます。塗ってすぐには色が出ないもので、日を追って紫外線で色が深まるのです。わたしもここを塗ったときは、素人でして色が出ないからと何度か塗り重ねました。色づくと濃いところや薄いところ、色むらもでました、雰囲気がまずいわけではなく、人工的な塗装仕上がりとは違います。
ご主人 天井は塗りにくいので、板材はお願いしたいと思います。
先生 わかりました。次です。『タイル工事』です。浴室床、壁仕上げと洗面カウンター、アイランドキッチンなどの工事が入っています。
次、家具工事です。『本棚・棚』は大工の手間に入っています。
『送料設置』はキッチンの分です。
ご主人 靴箱はどうなりましたか?
先生 (平面図より)引き出し箱を4つ付けました。踏み台は動かせるので冬物夏物をその後ろにもってきてなどして使えます。
ご主人 ありがとうございます。
先生 『郵便受け』も大工さんの造作工事。インターホンはどうするか、外構との関係があるので。門が必要だと思います。
ご主人 必要ですねぇ。
先生 もしくは北側・西側の塀を北西端部までつなげて、北側からはいるのもいい。
郵便受け・口金・インターホン・表札としっくりくる。
ご主人 いいですね。
先生 口金は金物工事に入ってる?
モコ 口金は入れていません。金物工事に入れておきます
先生 内装雑工事です。
『キッチンシンク』はステンレスの1ミリ厚のオーダー品です。
『コンロ』は設備工事に含み、食器洗浄機は入っていません。
『フード』はついていません。有圧換気扇のみです。
『照明シェード』は若干金額を見ています。シーダバーン定番のシェードとコードをご希望の方も多いので。
『薪ストーブ』は煙突部品などと共に一式で拾いました。次です。
『電気工事』は、地元では結構やってきているところを予定しています。
『給排水設備工事』は、配管工事と衛生機器を別々に注文していましたが、機器が個人名で購入困難ということで一括に注文となるようです。意外と地元の優良、技術も値段も両方とも優良という意味ですが、業者が不案内でして、ガス工事と共にこれから業者は探っていきます。
番頭 ガスは大阪ガスの指定業者だといいので。
先生 外構工事です。
『ガレージ扉』はシーダバーンと同様の大工による製作取り付けですが建具取り付けでも考えられます。
『耐火レンガ』はガレージ土間床と塀に使用予定。1個辺りの単価は安いですが次の
『輸送』金額も含めて考えています。『ガンコ』も使います。
『表札』というのは以前碑文に使ったことのある砲金という金属で表札をつくるものです。
『植栽』は関与なしということで別途としています。
『薪小屋』ですが道路側には置けないので、南東のほうに考えたらと思います。それから『木塀』が試算には入っていません。だいたい以上で各工事の説明終わりです。
『CM料』のところです。設計料より料率が高いんです。設計はずーと、40年やってきた結果ですから、設計料のほうを高くしたいんですが・・。しかしCM料のほうは人件費とか業者相手の複雑な折衝とかあります。工事費が減額して、CM料も減るというのは、おかしいんじゃないかとよく言われますが、委任されているので施主と一緒になって減ることに価値があるのですね。
『負担金』という項目があります。市に納めるお金で地域差があり、今時点でいくらかわからりません。
『クーラー』の設置などは通常関与しませんが、当初から予算化されています。
つづく